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ニューヨークの老舗ジャズクラブ「Village Vanguard」へ本格ジャズを聴きに行こう!

Village Vanguard

ジャズ全盛期と言われる1960年代から続くジャズバーがいまだに多く存在する街、ニューヨーク。せっかくニューヨークに行くなら、本場のジャズを聴いてみたいものですよね。

今回は、1935年に創業してから多くのジャズ・ミュージシャンを生み出した、ジャズの歴史が感じられる老舗ジャズクラブ「Village Vanguard(ヴィレッジ・ヴァンガード)」について紹介したいと思います。

1935年創業のジャズクラブ「Village Vanguard」概要

Village Vanguard

開店にまつわる逸話

1935年に、オーナーのマックス・ゴードンによってオープンしたVillage Vanguard。

実は、最初にゴードンがVillage Vanguardをオープンしようとした場所は、現在の所在地とは異なり、チャールズ通り(Charles Street)とグリニッジ・アヴェニュー(Greenwich Avenue)の交差点でした。

しかし、すぐ裏が学校という理由から、警察はゴードンにナイトクラブ許可証を発行しませんでした。

そこでゴードンは、当時「スピークイージー(禁酒法時代にアルコールを密売していたバー)」として営業していた「ゴールデン・トライアングル(The Golden Triangles)」というバーを買い取り、店名をVillage Vanguardに変えてオープンしたそうです。

公演内容の変遷

もともとは詩の朗読や演劇、フォークミュージックをメインにしたクラブだったそうです。モダンジャズが流行りだした1940年代から徐々に、ジャズ一本のクラブへと移行していきました。

Village Vanguardでは、毎晩8時半からと10時から、計2セットのジャズ公演があります。月曜日はVillage Vanguard専属のビックバンドが演奏し、火曜日から日曜日は、同じアーティストが一週間単位で連続公演しています。

Village Vanguardでニューヨークジャズ界のレジェンド達が演奏

写真

ジャズの全盛期と言われる1960年代には、Village Vanguardでは毎晩、そうそうたるメンバーが演奏していました。

マイルス・デイヴィスやウィントン・マルサリス、セロニアス・モンクなど、現在まで名の残るジャズ界のレジェンド奏者達の多くは、このVillage Vanguardが育てたともいわれています。

また、Village Vannguardではレコードの録音も盛んに行われていました。

モダン・ジャズを代表する人気ジャズ・ピアニスト、ビル・エヴァンスの「Sunday at the Village Vanguard」「Waltz For Debby」や、ほぼ毎日Village Vanguardのステージに立ったといわれるジャズ・サックス奏者、ジョン・コルトレーンの「”Live” At The Village Vanguard」は、1960年代前半にVillage Vanguardで生演奏を録音したことでも有名なアルバムです。

毎週月曜日はVillage Vanguard専属ビッグバンドの生演奏が聴ける

バンドマン

出典:Village Vanguard公式WEBサイト:https://villagevanguard.com/

16人編成のジャズ・オーケストラ

Village Vanguardでは、毎週月曜日に専属のビッグバンド「ヴァンガード・ジャズ・オーケストラ(the Vanguard Jazz Orchestra)」の演奏を聴くことができます。

ビッグバンドとは、10人以上のメンバーで構成されるジャズの演奏形態のひとつ。「the Vanguard Jazz Orchestra」ではピアノ、ドラム、ベース各1人にトランペット4人、トロンボーン4人、サックスが5人の16人編成になっています。

50年以上続く月曜公演

1966年に「サド・ジョーンズ/メル・ルイスオーケストラ(The Thad Jones–Mel Lewis Orchestra)」という名前で結成されたこのビッグバンドは、名前が変わった現在まで、毎週月曜日に欠かさず公演を行っています。

ビッグバンドを月曜日に演奏するようになった理由は、当時月曜定休のジャズクラブが多かったから。演奏し足りないジャズマン達が集まって、自然とセッションを組むようになったのだそうです。

大迫力と豊富な選曲が魅力

狭い店内で聞くビッグバンドのジャズ演奏は、かなりの迫力です。テンポの速い曲からスローな曲まで、バラエティー豊富な選曲なので飽きずに楽しむことができます。

ただ、あまり近い席だと、トランペットの突き抜けるような音で耳が痛くなることも。ビッグバンドを聴くのであれば、中央から後ろの席に座ると、ちょうどいい音量で聴けます。

Village Vanguardのジャズ公演のチケットを買ってみよう!

Village Vanguard

Village Vanguard公式WEBサイト:https://villagevanguard.com/

チケットの買い方は、電話予約かオンライン購入かのどちらかになります。オンラインでの購入方法はとても簡単です。

まずは下のリンクからVillage Vanguardのサイトへ行き「TICKETS(チケット)」をクリック。

チケット

全公演のスケジュールがリスト表示されます。好きな日にちと時間を確認して「GET TICKETS(チケットを買う)」をクリック。

すると、このような画面に移ります。

ウェブサイト

上部には返金についての免責事項が書かれています。

返金、交換はチケットを購入してから24時間以内でない限り受け付けません。

もし何らかの理由で参加できない場合は178vanguard@gmail.comまでご連絡下さい。

もしチケットを交換した場合、交換した新しいチケットは返品交換することはできません。またいかなる場合でも、手数料の2.50ドルは返金できませんのでご了承下さい。

座席はすべて先着順自由席となります。良い席を確保したい場合は、早めに到着することをおすすめします。

公演開始の15分前には必ず到着するようにして下さい。

出典:Village Vanguard公式WEBサイト:https://villagevanguard.com/

以上を確認したら、「Quantity(数量)」の欄にチケット枚数を入力し「Checkout(会計)」ボタンをクリック。

ウェブサイト

チケットの枚数と合計金額を確認したら「Please read our terms of sale(販売規約をお読みください)」の下の四角にチェックを入れます。

下にスクロールすると、購入者情報を入力する欄があります。

ウェブサイト

名前、メールアドレス、確認用にもう一度メールアドレス、パスワード(任意)を設定します。

ウェブサイト

次に、クレジットカード情報を入力。

ウェブサイト

最後に時間と合計金額を確認して「GET TICKETS(チケット購入)」をクリック。

ウェブサイト

「CONFIRMATION(確認)」という画面に変わったら、これでチケット購入完了です。5分以内に、入力したメールアドレスへチケットの画像が送られてきます。

ウェブサイト

当日は、そのチケットを印刷して持っていくか、送られてきたメールに添付されたチケット画像のバーコードを受付で見せればOKです。

Village Vanguardへ実際に行ってみた

Village Vanguard

開場は30分前、座席は先着順

夜8時半のセットは7時半から、10時半のセットは10時から、店内へ入ることができます。

席は指定席ではなく「First come First serve(早いもの順)」で、着くのが早ければ早いほど良い席がとれます。日によっては、7時半前からドアの前で並んでいることもあるので、できるだけ早く到着するように行きましょう。

私が行ったのは月曜日のビッグバンド演奏がある日で、到着したのは7時45分頃でした。すでに私の前に15人ほど人が並んでいました。

私は一人だったこともあり、案内されたのは小さいテーブルが並ぶ壁側の席。壁側ならどこでも座っていいと言われたので、前から2番目の席に座りました。

私の前にいた3、4人のグループは中央のバンドの目の前の席へ案内されていました。人数が多いと席の配置上、真ん中の席に案内されるようです。

Village Vanguard

チケットと身分証明書を準備

到着したら、まずはドアの前でチケットを見せましょう。身分証明書について、私は入り口でもお酒を頼む時も確認されませんでした。ですが、お酒を飲む場合は念のために身分証明書を持って行ったほうが無難でしょう。

入り口のドアを抜けると、地下へ続く階段が見えてきます。下まで降りると、受付のスタッフに名前とチケットを確認されるので、ここでもう一度チケットを見せます。

ワンドリンクを注文して開演

コートや大きな荷物がある場合は、クロークルームがあるので席に案内された時にウェイターへ預けましょう。Village Vanguardではワンドリンク制なので、席に着いたら一人一杯必ず注文するのを忘れずに。

明かりが落とされると、マイクを持った奏者が、ビッグバンドとこれから演奏する曲の紹介をはじめます。おいしいカクテルを飲みながら、歴史あるビッグバンドならではの、鳥肌の立つような素晴らしい演奏を聴くことができ大満足の夜でした。

Village Vanguard店内での注意点

Village Vanguard

撮影や録音はNG?

演奏が始まる前の写真撮影はOKですが、一度演奏が始まったら電子機器の使用は禁止です。演奏中の録音も禁止されています。演奏が始まる前には、必ず電源を切るか、マナーモードに設定するようにしましょう。

飲食中の雑談はNG?食事は出ない?

演奏中は演奏者や周りの人のためにも大声で話したり、大きな音をたてたりしないようにしましょう。

Village Vanguardでは飲み物だけの提供で食事は出ません。これは、お客さんに演奏に集中してもらういたいという店のポリシーだそうです。話すときは小声で、周りの人への配慮を忘れないようにしましょう。

ウェイターへのチップは必要?

飲み物を注文したら、チップを置いていくのを忘れないようにしましょう。セットの終わる20分くらい前になると、ウェイターがテーブルに伝票を置いていきます。

私はいつも、TAX(税額)欄の2倍の金額を、チップとして現金で置いていくようにしています。もちろん、クレジットでチップを一緒に払ってもOKです。

クレジットカードは使える?

クレジットカードは、Visa、Master Card、Discover、American Expressが使えます。

店舗情報・アクセス

  • 名称:Village Vanguard「ヴィレッジ・ヴァンガード」
  • 住所:178 7th Avenue South, New York, NY 10014
  • 電話番号:(212)255-4037
  • 営業時間:毎日 7:30Pm~12Am
  • アクセス:地下鉄IRTブロードウェイ‐7番街線(赤の1、2、3ライン)「14丁目(14 Street)」駅、またはパストレイン「クリストファー・ストリート(Christopher Street)」駅下車 徒歩4分
  • WEBサイト:https://villagevanguard.com/

まとめ

Village Vanguard

ジャズ演奏が終わったあと、バーカウンターに行くと、オリジナルTシャツやその日演奏したアーティストのCDを購入することができました。皆さんにもぜひ、お土産に買って帰ることをおすすめします。

ドレスコードはないので気軽に立ち寄ることができ、ニューヨークらしい夜を体験できるVillage Vanguard。ニューヨークを訪れたら、一度は行っておきたい本格ジャズクラブのひとつです。

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ニューヨーク生活・就職HACK編集部
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