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アメリカのサンクスギビング・デー」とは?代表的な祝日を解説

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日本にもさまざまな祝日がありますが、祝日に何か特別なことをするというような風習は、時代とともに薄れているような気がします。

それと対照的に見えるのが、アメリカのThanksgiving Day(サンクスギビング・デー、感謝祭)です。この祝日はアメリカ国民にとって特別な意味を持っており、アメリカの歴史の中でもずっと大切にされてきました。

今回は、その過ごし方から料理、イベントまで、現地で暮らしてみないとわからない「サンクスギビング・デー」のすべてをご紹介したいと思います!

サンクスギビング・デー(感謝祭)概要

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サンクスギビング・デーとは

サンクスギビング・デー(感謝祭)とは、毎年11月の第4木曜日に定められたアメリカの国家の祝日(ナショナルホリデー)です。

年によって日にちは変わりますが、この祝日をはさんで会社や学校は連休になることが多く、政府機関をはじめ公共の施設や店舗などもお休みになることが多いです。

感謝祭は「家族の日」と呼ばれることもあるほど、家族揃って一緒に過ごすのが通例となっていて、普段以上にプライベートな時間が大切にされます。

この感覚は、日本ではお盆やお正月に近いかもしれません。ちなみに、2019年の感謝祭は、11月21日(木)になります。

サンクスギビング・デーの起源と歴史

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感謝祭は、メイフラワー号に乗ってイギリスからマサチューセッツ州のプリマス植民地に移住したピルグリム・ファーザーズが、初めてアメリカの土地で収穫を得たことを祝ったのが起源とされています。

1620年にプリマスに到着したピルグリム・ファーザーズたちでしたが、当時は寒さの厳しい冬で、真新しい土地で食料を確保することが大変難しく、移住者の多くが命を落としました。

翌年の春になっても、なかなかうまくいかずに苦戦を強いられていたところ、プリマス近郊の先住民(ネイティブアメリカン)が、現地で栽培することのできる作物についての知恵を貸してくれました。

そのおかげで、ピルグリム・ファーザーズたちは多くの食物の栽培に成功し、1621年は豊作の秋を迎えて、冬を越せるだけの食料を得ることができたのでした。

彼らは命の恩人ともいうべきネイティブアメリカンを招待し、食物の恵みを神様に感謝するためにお祝いの宴を催したといわれています。

サンクスギビング・デーの過ごし方

サンクスギビング・デー

元々は宗教的な意味合いも大きかった感謝祭ですが、現在では家族が一緒に食事を楽しんだり、ショッピングやフットボール観戦をしたりして、ゆったりと過ごす祝日となっています。

親戚一同や友人同士で集まることも多く、気心の知れた人たちと賑やかなときを過ごします。私も以前、友人の家に招待してもらい、アメリカの家庭での感謝祭を体験したことがあります。

アメリカでは男性もキッチンに立つことが多いのですが、特に感謝祭の食事の準備には、巨大な七面鳥をオーブンに出し入れしたり、硬いかぼちゃに包丁を入れたりと、力仕事が必要な場面がてんこ盛りです。

皆で協力して食事の準備をするのも大切な時間で、私も料理や配膳の支度を任されて、まるで家族の一員に加えてもらったような感覚でした。

この時期になると、料理用として、デコレーション用としてもいたるところでかぼちゃを見かけます。手のひらサイズのかわいいものから、大人1人で持ち運ぶのが難しいくらいの巨大サイズまであります。

オレンジや黄色、グリーンなど色とりどりで、自然の色合いが温かく感じられる感謝祭の代表的な装飾です。

サンクスギビング・デーの特別な料理

料理

感謝祭といえば、何と言っても特別な料理の数々が思い浮かびます。家庭で手作りされる手の込んだ品々を味わえる幸せは格別です。

料理は、家族全員がお腹いっぱい食べても余るほどたくさん作ることが多いので、感謝祭当日だけでなく、その日からしばらくの間、アレンジを加えながら楽しみます。

七面鳥

まず、感謝祭のシンボルともいうべき七面鳥です。

七面鳥を丸ごとオーブンで長時間じっくりと焼きあげたロースト・ターキーは、そのまま食べるのはもちろん、グレイビーソース(ターキーの出汁から作ったソース)やクランベリーソースをトッピングして食べたり、サンドイッチにはさんだり、スープに入れたりして、感謝祭の食卓を飾ります。

七面鳥は、内臓などを取り除いた空洞の部分に、お米やパン、人参、にんにく、玉ねぎ、ターキーの内臓などを細かく切って炒めた「スタッフィング」をぎゅうぎゅうに詰めてから焼き上げます。

このスタッフィングは家庭によってさまざまですが、詰め物にするだけでなく副菜として別皿でも並べられます。

マッシュポテト

さらに、マッシュポテトも感謝祭の食卓になくてはならない存在です。これは、七面鳥やスタッフィング以上に、各家庭によって味や調理方法が異なり、みんな我が家のマッシュポテトが大好きです。

ごろごろとじゃがいもの塊が入っているものから、クリーム状になるまで裏ごしたタイプまで、舌触りはさまざま。そしてガーリックやベーコンにブラックペッパー、玉ねぎやチーズなど、混ぜ合わせる具材も多種多様です。

パイのデザート

感謝祭ディナーのラストは、パイのデザートで締めるのが定番となっています。中でもパンプキンパイがよく食べられている理由は、ピルグリム・ファーザーズたちがたくさんのかぼちゃを収穫した、感謝祭の起源に由来しています。

この時期が旬であるかぼちゃと、しっとりと滑らかで香ばしいパイ生地とのコラボレーションは絶品です。パイの種類は、他にもアップルパイやラズベリーパイなどあって、複数のパイが並ぶ贅沢な食卓もあります。

サンクスギビング・デーの代表的なイベント

スパイダーマン

感謝祭は大きなイベントも行われ、実に盛りだくさんな休日です。

パレード

まずは大きなパレードが開催されます。例えば、ニューヨークのMacy’sという大手百貨店前の大通りでは、毎年盛大な感謝祭パレードが行われ、テレビでも中継されます。彩り豊かなさまざまな仮装衣装や巨大バルーンが登場する、華やかなパレードです。

ブラックフライデーとサイバーマンデー

また、感謝祭翌日の金曜日は「Black Friday(ブラックフライデー)」、翌週の月曜日には「Cyber Monday(サイバーマンデー)」と呼ばれるセールがあり、クリスマスシーズンを前にショッピングも大変に盛り上がります。

Black Fridayは、年一番とも言えるセールで、開店前から長蛇の列ができるほど人が押し寄せる熱狂ぶりです。Cyber Mondayはオンラインストアで開催されるセールで、こちらも大幅な値引きが期待できるチャンスです。

感謝祭のセールは、普段セールを行わない商品、例えばApple社の製品なども定価から値引きされるチャンスです。物によっては通常価格の90%オフという破格のラインナップにお目にかかることもあります。

さらに、この時期にはアメリカの国民的スポーツであるフットボールの試合が行われるため楽しみにしている人も多く、家族や仲間と一緒にスタジアムやテレビ観戦で、大いに盛り上がります。

まとめ

飾り

サンクスギビング・デーは、家族や大切な人と共に伝統的な食事を楽しみ、日々の恵みを神に感謝する日として、今でもアメリカの人々の間に受け継がれています。ドラマや映画でも感謝祭のシーンがよく登場しますので、注目して観てみると面白いと思います。

感謝祭の食事は、基本的には家庭で料理して楽しむものですが、シーズン中は街中のレストランで味わえることもあります。この時期にアメリカを訪れる機会があれば、食べてみるのもお勧めです。

感謝祭を通して、一味違うアメリカをエンジョイしてみてはいかがでしょうか!?

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ニューヨーク生活・就職HACK編集部
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