私はどちらかと言うと「食」を気にするタイプです。子供の頃から和食で育ってきましたし、一人暮らしをしてからも簡単に作れて体に良いものを食べるようにしてきました。食材を買うときは国産や鮮度を気にして、全体の食事バランスも考えるようにしています。
今まで残業が多かったので健康な食生活を毎日続けることが厳しいときもありましたが、できるだけ心掛けてきました。
しかしアメリカに留学し、食生活の違いに驚きました……。
※1ドル=107円
アメリカのスーパーマーケットの野菜事情
野菜がなぜかなかなか傷まない
日本では鮮度の良い野菜がスーパーで比較的簡単に手に入ります。近年野菜が高騰していますが、それでも買おうと思えば買える距離にスーパーがあり、買える価格設定です。
では、アメリカの野菜の鮮度はどうでしょうか。実は私がアメリカに来てショックだったことのひとつが「野菜がなかなか腐らない」という事実でした。
食材の鮮度は怪しい?
葉物野菜を買って冷蔵庫に入れたのはいいものの、つい料理するタイミングを逃し腐らせてしまったという経験はないでしょうか。私は何度もあったので、ほうれん草がすぐにしなびるのをよく知っていました。
しかし、アメリカでほうれん草を買って冷蔵庫に放置したところ、10日ほどたっても葉がきれいなままで何も変わりません。このとき「これは危ない」と、今までにない恐怖を感じました。
野菜売り場に野菜用洗剤!?
これは何かご存じでしょうか。野菜売り場に置いているのですが、野菜用の洗剤です。どうやら(信じられないことに)野菜は洗剤で洗うようです。
これを見ると「洗剤を口に入れて問題ないのか」という新たな疑問が出てきますが、それはさておき。どれだけ農薬が強いのか如実に物語っているように思えます(私は洗剤の安全性のほうが気になるので、日本と同じように水のみで洗っています)。
オーガニック野菜はけっこう高い
また、野菜の中でも「オーガニック」と記載しているとさらに値段が高く、ほうれん草1束で4.5ドル(約480円)ほどします。そうなると留学生の身としては「値段高いから買うのやめようかな」という気になってしまいます。
野菜は高級食材だということに気付いた瞬間でした。
ファストフード事情
ハンバーガーの魔力とは
なぜアメリカではハンバーガーが売れているのでしょうか。
私がアメリカに来て感じた理由としては、なによりもハンバーガーが「手軽で安い」からです。
もちろんハンバーガーでも価格帯が1.8~28ドル(約200~3,000円)とさまざま。とはいえアメリカ西海岸を代表するIn-N-Out Burgerは、ハンバーガーひとつが2.55ドル(約270円)です。
安価で食べごたえがある
それでいてボリュームもありおいしく、パン、お肉、野菜が入っているとなるとこれ以上ない良いメニューに思えてきませんか。そうなるとわざわざ高級な野菜を買って自炊をして……ということをしなくなるわけです。
ちなみに日本人がそこまでハンバーガーに固執しないのは、おにぎりのような安くて手軽な日本食の種類が多いからではないでしょうか。
サプリメント事情
ビタミンは野菜ではなくサプリから取る
アメリカがサプリメント大国なのはご存じでしょうか。
スーパーにも薬局にも大量のサプリメントが売っています。そしてアメリカ人は栄養はサプリメントで取ることが効率的だと考えます。なので、野菜からビタミンを取るというよりも栄養摂取はほぼサプリメントに頼って、あとはハンバーガーにしようという発想です。
主食という概念がない?!
以前アメリカ人に主食は何かと聞いたところ「そんなのないよ、てきとう」と言っていましたが、あながち間違っていないように思えます。どうやら彼らは日本人ほど食に重きを置いていないようです。
日本では値段が高めに設定されているサプリメントでも、アメリカであれば手頃なものだと10ドル(約1,100円)以内で購入できます。調子が悪いときは試しに取り入れてみてもいいかもしれません。
子どもの給食事情
栄養管理をしていない子どものランチ
これは何か分かりますか?なんとアメリカの「Lunch box」、つまりお弁当です。
給食がない学校の子どもたちは、主にこのようなものを日々学校に持っていきます。給食がある学校でも日本のように栄養士がいて、日々の健康管理が任されているというわけではありません。ざっくり言うと毎日ピザです。
健康な食生活を目指す姿勢が見えない
私たちが思う以上にアメリカ人は健康に気を使わず、そもそも「健康な食生活」というものが何であるのかあまり知らないようです。驚いたことに食生活も子どもの自主性に任せるため、両親もあまり注意しないようです。
アメリカは技術力において先進国であることに間違いはないです。これは私の個人的な意見ですが、食に関しては本当に先進国なのか少し疑わしいところです。
自炊に必要な電化製品
さて、ここまで読んでいただくと少しアメリカの食生活事情が分かってきたのではないかと思います。
ただこういう状況だからといって一緒になって太ってはいけません。アメリカに行くと1年間で10キログラム太ると聞きます。でも健康長寿国である日本人のプライドをもって、少しでも健康で節約した留学生活を送れるよう自炊を心がけてほしいです。
まず自炊の際の必需品はライスクッカー(写真のような炊飯器)と電気ケトルとトースターです。
カリフォルニアでは日系スーパーが多いのでお米は調達できます。また、意外とライスクッカーがあるホームステイ先やアパートメントが多いのですが、それでもない場合は購入することをおすすめします。
スーパーマーケットの選び方
現地に住むと必ず必要になるのがスーパーマーケットですが、私のおすすめは「トレーダー・ジョーズ」です。
なぜなら他のスーパーよりもオーガニックと記載された商品を多く取りそろえており(それがどこまでオーガニックなのかはまた別の問題ですが)、値段が良心的なためです。
「アルバートソンズ」と「ラルフス」というスーパーも家の近くにあったのですが、野菜の新鮮さではトレーダー・ジョーズの方が上でした。また、売っているお菓子やエコバックなども日本人が好みそうなものが多く、見ているだけでも楽しいスーパーマーケットです。
次の項目では主にトレーダー・ジョーズで購入している価格帯を基準にし、健康的かつ節約できる自炊メニューをご紹介します。
究極の健康兼節約食生活
朝は果物と乳製品、昼はお弁当
朝はバナナ(0.26ドル=約30円/本)とヨーグルト(1.4ドル=約160円/個)です。バナナは1本から買えます。
昼はチーズやハムなどを挟んだサンドイッチ(2.7ドル=約300円)を作ります。自作のサンドイッチを持ち歩く人は多く、アルミホイルでくるんで大学に持って行っていました。あとは、タッパーにサラダを入れてきている人も多かったです。
夜は自炊でご飯とおかず
夜は白米と野菜炒め(3.6ドル=約400円)です。時間があまりないときは写真のような鶏肉の加工食品を購入しました。これはトレーダー・ジョーズの人気商品で、使い方によりますが1袋で約4食分入っています。
これにパプリカ、ブロッコリー、玉ねぎを加えて炒めていました。
飲み物はペットボトルの水のまとめ買いがお得です。500ミリリットル×24本で3.6ドル(約400円)と破格の安さなので、まとめて買って毎日1本持ち歩いていました。
まとめ~日本食をベースに健康的な食生活を~
海外に来ると食生活は変わります。臨機応変に現地の食生活に合わせることも留学の楽しみのひとつですが、やはり健康に気を付けるのは大切です。
時にはハンバーガー2個食いしてしまったりするのですが、我々にとっては日本食がベースにあることを忘れないようにしてください。
もちろんアメリカ人でも食に大変気を使っている人もいらっしゃるので、一概には言えないです。でも、今回は留学したての日本人の一般的な印象として紹介させていただきました。