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アメリカで体調を崩したら?病気に関して覚えておきたいこと

寝る

アメリカで体調を崩す場合を考えたことがありますか?あまり考えたくないですが、滞在が長ければ長いほど、現地でけがや病気をする可能性は高くなります。

私も4年間の留学生活と、それからさらに4年の在米期間の中、慣れない気候や食事、またストレスで体調を崩したことがありました。

そんなときのために、ある程度はアメリカの医療事情を頭に入れておくほうがいいでしょう。ここでは、アメリカで体調を崩す前に覚えておきたいことを紹介します。

※1ドル=約107円

アメリカで病気になったら

病院に行かないアメリカ人

アメリカの国旗

まずはじめに、アメリカ生活の中で驚きましたが、アメリカ人はめったに病院には行きません。

保険の違い

「行けない」と言った方がいいかもしれません。ご存じのように、アメリカでは国民皆保険制度がありません。医療費がとても高く、しっかりした仕事先が質の良い保険を提供してくれていたとしても、日本のような感覚でいると請求書に驚かされます。

これが転じて、アメリカでは風邪やインフルエンザなど、少々の体調不良は家で治そうとする風潮があります。

救急車は有料

大学留学中のアメリカ人の友達で、自転車に乗っていたときに車との接触事故を起こした人がいました。小さな事故とはいえ接触事故でしたから、少しはね飛ばされて転んだというのです。後で会うと、手足にかすり傷がありました。

頭も少し打ったらしいのですが、それでも病院には行かなかったらしいです。救急車もアメリカでは有料ですから、ちょっとやそっとの事例では呼ばない人が多いのです。日本の医療システムのありがたみを感じます。

アメリカで病気になったら誰に会うのか

医者に会うか、看護師に会うか

医師

アメリカで調子が悪くなった場合、病状の程度によって誰に「会う」か決めないといけないことがあります。

病気の見極めをする

留学中、小さな風邪からはじまって、体調不良のパレードが始まったときがありました。風邪で弱っていたときにインフルエンザにかかり、そこから中耳炎、ぼうこう炎と病気が次々と襲い掛かってきたのです。

おそらく慣れない文化でのストレスや、生活文化そのものの違いに体がついていけなかったのでしょう。

風邪やインフルエンザは寝ていればたいがい治りますが、中耳炎やぼうこう炎は薬が必要です。大学に付随する診療所に行きましたが、そこではナース(看護師)が常駐していました。医者は常にはいませんでした。

医者に会うべきときもある

在米生活の中で気づいたのですが、アメリカでは「ナースに会う」というのと「医者に会う」というのでは治療代が違うようです。ですので、病院に行っても「医者に会う?ナースに会う?」と問われることがありました。

自分でどうしてもこれは重症だと思う場合は、値段はともかく医者に会うようにお願いしましょう。

アメリカの薬局と薬の質

薬

アメリカ人はあまり病院に行かないとしたら、何が発達したでしょうか?

高度な効果が期待できる理由

それは、薬局と薬です。病院に行かないとなるとドラッグストアに行って、誰にでも手に入る市販薬を飲んで治すという方法になります。そんな文化では市販薬の効き目がとても発達しました。

「アメリカの薬が日本の薬より効く」と聞いたことがあるかもしれませんが、これは本当です。

効きすぎにご注意を

私も中耳炎とぼうこう炎になったと上記しましたが、いずれも抗生剤を渡されました。これを飲むと、なんと効きすぎて胃腸の微生物が死んでしまったらしく、七転八倒の腹痛を起こしました。

そして三日三晩飲食が不可能になりました。もちろん薬の効きには個人差がありますが、私が特に弱っていた時期だったからこうなったのかもしれません。薬がよく効くのはいいですが、副作用などが心配な人は医師や薬剤師と相談しながら調節した方がいいでしょう。

アメリカで病院に行くタイミング

点滴

病院に人があまり行かないとなると、困るのは病院へ行くタイミングです。

病院側も軽症者は取り合わない

日本では、ちょっとしたことでも病院にすぐに行けます。が、例えば以下のような小さな症状では病院に行くのもためらわれてしまう文化です。

  • ちょっとした湿疹ができた
  • 軽い捻挫をした
  • 風邪で鼻水が出る

病院も基本的に予約制です。日本のように、今この症状があって、即座に医者に診てもらえるとは限らないのです。電話で、「来週の何時に」といった具合に時間をあけて予約を取られることが多いです。

通院も基本的にない

費用がかさむこともあって、たいていのことでは通院さえありません。日本では例えば耳鼻科などに行けば、手厚く何度か通院して、きちんと治っているか経過を見てくれます。そういったサービスはアメリカではないと言っても過言ではありません。

私もアメリカにいるときは「次に何日後にまた来てね」などと言われたことはありませんでした。

緊急時にはERという存在

お金を出して救急車を呼ぶまではいかなくても、症状が出てどうにもならない場合には、ER(緊急救命室)へ行くという手もあります。私も上記したぼうこう炎は夜に発症し、血尿が出てどうにもならなかったのでERへ行きました。

しかしERは非常に混んでおり、何時間も待った上、ここでもやはり医者には診てもらえませんでした。検査をして、ナースがぼうこう炎と判断して薬をもらいました。

アメリカの診療所と費用

お金

留学中には、日本から持って行った留学用の健康保険のようなものに入っていました。それでまかなえました。

大学の診療所

大学には、たいてい付随する小さな診療所がある場合が多いです。私が在籍した州立大学では、一定以上の単位を取っている学生は、そこでのヘルスサービスが受けられました。大学の授業料の一部に、この費用が入っているようです。

突然の発熱やちょっとしたけがでも、ここへ行けば何とかしてくれました。もしさらなるケアが必要な場合でも、ここから紹介してくれるでしょう。

具体的な医療費

高いといわれるアメリカの医療費ですが、実際に現地に行って請求書を見ると分かります。保険がいくら効いても、たいていは100ドル(約10,900円)単位になってきます。日本のように数百円や数千円で診療費も薬代もまかなえるのは、本当にありがたい話です。

私も前述した炎症や、卒業後にも時々婦人科の検査やちょっとした不調で病院にかかると、100ドル以上の治療代金でした。

払うタイミング

あと記述しておきたいのは、払うタイミングです。私はこれに関して無知で、最初は混乱しました。

日本では病院にかかると、直後に受付に呼ばれて精算しますよね。アメリカではたいていの場合、診察直後、家へ帰っても大丈夫です。後日、郵便で請求書が届くようになっていました。

払い方も、小切手かクレジットカード、デビットカード、直接窓口へ出向いての現金など何でも受け付けていると思います。高額にはなりますが、具合が悪くなって即座に払わなくていいのは、体調不良のときにはうれしいものです。

まとめ~心細くても大丈夫~

血圧測定

体調不良のときには心細くなるものですが、それが海外であるとなおさらです。

システムもよく分からないのに、医療のお世話になるのは心配かもしれませんが、世界中どこでも助けてくれる人はいます。症状をうまく英語で説明できるか心配であれば、友達や大学のスタッフについてきてもらいましょう。

海外での経験一つ一つが、その国の文化と言語を学ぶチャンスとなります。大丈夫です。いざというときのために基本的な知識は頭に置いておいて、安心して留学生活を楽しんでください!

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ニューヨーク生活・就職HACK編集部
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